ミナミのラボ

日々の気付き、疑問を独自の視点で記載しています。

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左手の根性焼き その理由

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僕の左手の甲には根性焼きがあります。

根性焼きとはタバコの火を皮膚に押し付けたヤケドの跡のことです。

 

多分死ぬまで忘れることは無いこの根性焼き

僕の左手が焼けたのは19歳の時でした。

 

憧れのあの人

 

当時、大学1年の僕には2つ上の学年に憧れの人(Tさん)がいました。

 

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その人は年上なのですが、背が小さくて細身。髪は黒髪でサラサラ。声も可愛くて

もう、どストライクでした。

 

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周りの友達にも「Tさんって可愛いよな」と言っていましたが、周りの友達は「あの人は自分の可愛さを知ってて計算してるから止めたほうがいいよ」と止められてました。

 

Tさんの同級生の先輩にも同じように止められていました。

 

でも、Tさんにはすでに彼氏がおり、僕もただ憧れていただけだったので、遠くから眺めているだけで満足だった僕は「大丈夫大丈夫、ただ可愛いと思うだけだから。」と言っていました。

 

 

そんなある日、Tさんが彼氏と別れたと噂話で聞きました。

 

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チャンス到来

 

僕が行っていた大学は1学年70人程で、よく飲み会がありました。

 

基本的に1年生は1年生で飲み会があるのですが、その飲み会に上級生が来ることがよくありました。

 

大学までバイクで通学していた僕は、飲み会に参加すること自体がマレだったのですが、友人に誘われ「たまには行ってみるか」と参加しました。

 

するとTさんがいました。

 

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友人「お前Tさん可愛いって言ってたからさ、Tさんと仲のいい先輩に声かけてTさんも呼んでもらった」

 

お前は神か?

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Tさんの隣の席をその先輩が譲ってくれ、Tさんの隣におずおずと座ることが出来ました。天国の始まりです。

 

 

急速に縮まる距離

 

 

元々Tさんと面識はあり、Tさんがロビーのソファーに座っていたりすると、尻尾を振って「元気ですか?」と声をかけたりしていたので、隣に座る時も「おー、ミナミくん」と言って普通に座らせてくれました。

 

そしてくだらない事を話し、頑張って盛り上げました。

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話をしていると、Tさんは近くで一人暮らしをしているらしい。

 

僕の友人もTさんの友人も割りと気を使ってくれたようで、ちょっと後押しをしてくれます。

 

飲み会が終わった後、Tさんの友人が「せっかくだしミナミくんに送ってもらったら?」と提案してくれ、「えー、そんな悪いよー」というTさんに「じゃあ行きましょう」と強引に送る流れに持っていきました。

 

 

「別に何もしないですよ、送ったらすぐ帰りますから!」と言いながらお家に到着。

 

 

「すいません、ちょっとトイレだけ借りてもいいですか?」とお願いすると「いいよー」と言ってお家に入れてくれました。

 

ちなみにお酒は全く飲んで無かったのですが、コーラの飲み過ぎで本当にもようしていました。

 

トイレから出ると「大丈夫~?お水飲む?」と言ってお水を出してくれました。

 

全くお酒を飲んでなかった上、コーラの飲み過ぎでお腹タプタプだったのですが、ありがたく頂き、そのまま少しお話をすることになりました。

 

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Tさんの話を聞いて話を盛り上げているうちに、Tさんが彼氏と別れた話になりました。

 

Tさん 「だから寂しいんだよね~あははー」

僕  「呼んでくれたらいつでも駆けつけますよ。3分以内に。」

Tさん 「ウルトラマンだw」

僕  「はい」

Tさん 「・・・本気にしちゃうよ?」

僕  「はい ( ・`ω・´)キリッ」

 

後から聞いたのですが、Tさんも僕に対して少なからず好意を持っていてくれたらしいです。

 

 

そして晴れてお付き合いをすることになりました。

 

 

ちなみにその日は何も大人な事は無く、その後すぐに帰りました。(ヘタレでしたが、

結果として、Tさんとは一度も大人の関係になることはありませんでした。)

 

 

その日はスキップして帰りました。

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 幸せな日々

 

それからは有頂天でした。

お付き合いをして初めて電話した時に、手が震えたのを覚えています。

 

なんとかTさんを喜ばせたくて、無駄に褒めていました。

 

インスタントラーメンを作ってもらった時に、「うまい!さすが!」と言ったのは自分でもおかしかったと思っています。

 

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どこに行っても楽しかったです。

 

何をしても楽しかったです。

 

ただ、一緒にいられるだけで幸せでした。

 

 

 

でも・・・

 

 

 

憧れの人とのお付き合いは想像以上にうまくいかない

 

 

Tさんと付き合い出してから、デートをする度に先に下見をしていました。

 

富士山に行く時も、デート前に自分一人で行って下見をして、どこをどういう風に周って、どこでご飯を食べて・・・と、全て調べていました。

 

 

最初は良かったんです。

 

 

計算済みのデートなので、「次どうしようか?」と悩むこともありません。

 

Tさんが希望を出せば、もちろんそっちを優先して、希望がなくなればこっちの予定を遂行する。

 

 

でも・・・3ヶ月経つ頃には、僕がとても疲れていました。

 

 

 Tさんにもそれが伝わっていたのでしょう。遊びに行く度にテンションが下がってきていました。

 

 

そしてある日、突然Tさんから

 

 

 

「好きな人が出来たので別れて下さい」と言われました。

 

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別れの日

 

Tさんが別れを考えていた時期、僕はそんなTさんの気持ちには全く気がついていませんでした。

 

遊びに行く度にテンションが下がっているTさん。デートに疲れていた僕。

 

でも、Tさんが好きで好きで仕方がなかったのです。

 

 

あまりに好きすぎて、全く手を出せなかったくらいです。

 

初めてキスをするのに2ヶ月かけたくらいです。

 

 

どうしたら喜んでもらえるか、そればかりを考えていた時期でした。

 

 

今考えるとすごい重い男になってますね。かなりウザい状態です。

 

ちょっとした旅行に行ったら、Tさんに10個位おみやげを買って帰ったりしてました。

 

 

 

突然の別れは電話でした。

 

とにかく一度会いたいと伝えると、納得してくれ、喫茶店で会うことになりました。

 

 

Tさんと会い、喫茶店に入ります。

 

 

席に座っても言葉が出てきません。

 

Tさん 「ごめんね。」

僕  「・・・」

 

席に座って5分で涙が止まらなくなってしまいました。

なんと情けない男でしょう。

 

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本当に憧れていて、大好きで大好きで仕方がなかった人から放たれる拒絶の言葉が、とても心をズタズタに切り裂きます。

 

もうどうしていいかわからなくなりました。

 

結局30分泣き続けて別れを了承し、Tさんとはそれっきりとなりました。

 

 

想像以上の地獄

 

 

家に帰ってからが想像以上の地獄でした。

 

この3ヶ月、寝ても覚めてもTさんの事を考えていたので、家で一人でいるともちろん考えるのはTさんのことです。

 

 

僕のどこがダメだったんだろう?

 

Tさんの新しく好きになった人はどんな人なんだろう?

 

その人を傷つけたら嫌われるかな?

 

どうしたらまた振り向いて貰えるだろう?

 

Tさんが好きだった紅茶でも持って、もう一度話をしてみようか?

 

 

等々

 

 

変に悲劇の自分に酔っていたところもありました。

 

 

 

でもね、

 

 

 

本当に心が痛いんです。

 

 

たとえとかじゃなくて、胸のあたりがものすごく締め付けられるように痛いんです。

 

涙が止まりません。

 

誰か助けてほしいと心から祈りました。

 

でも誰も助けてくれません。

 

あー、僕って友達いないんだなと思いました。

 

 

部屋の電気を消してみました。

 

心の痛みは取れません。

 

音楽をかけてみました。

 

ほんの少し、痛みが軽くなりました。

 

音を爆音にしてみました。

 

ほんの少し、痛みが軽くなりました。

 

でもそれ以上やることがありません。

 

 

暗い部屋の中で当時唯一持っていたB'zのCDを爆音でかけ、布団に潜り込みました。

 

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痛みが収まりません。

 

 

気分を紛らわす為にタバコに火をつけました。

 

心は痛いままです。

 

 

 

真っ暗な部屋の中をタバコの煙がたゆたいます。

 

 

そして僕はタバコを

 

自分の左手に押し付けました。

 

 

 

後悔

 

タバコの火を手に押し付けた時、熱いとも痛いとも感じませんでした。

 

結局心の方が痛かったんです。

 

ほんの少しだけ紛れましたが、意味はありませんでした。

 

そしてあれから19年経っても、僕の左手には根性焼きの跡が残っています。

 

幸い手の甲だったのと、肌の色が黒い方だったため、そんなに目立ちませんが、このヤケド跡は死ぬまで消えません。

 

Tさんはこのことを知りません。

もちろん言うつもりもありません。

 

 

もう古傷として自分で受け入れていますが、実はその後の人生で、たった一度だけ後悔することがありました。

 

僕は俳優をやっていたのですが、25歳の時に撮影で手のアップがあったんです。

 

監督に止められました。当然ですね。

 

そのシーンは結局手のアップは無しで撮影をし、そしてその監督からはもう声はかかりませんでした。

その時にちょっと後悔しました。

 

 

最後に

 

ダラダラと書いてしまいましたが、以上で終わりです。

あれから今まで、Tさんとは会っていません。

 

僕が38歳なので、Tさんも40歳。

今会えば笑って話せるんでしょうか。

 

 

ただ一つだけ言えることは、

 

根性焼きをやっても、何もなりません。他の人から怪訝な目で見られるだけです。

 

「すげー!」となるのは10代だけです。

 

だから、もしやろうとしている人がいたらやめましょうね。

 

 

以上、「左手の根性焼き その理由」でした。